2015年度日本登山医学会講習会
「東京クラスタⅡ 高所登山トレッキング医学・山岳救助実践」
 ☆★ 本学会一般会員・学会非会員の方も受講可能 ★☆

2015年11月 15日(日)9:00-18:00
場所:東京医科大学病院臨床第一講堂

 一般社団法人日本登山医学会2015年度山岳医講習会「東京クラスタII 高所登山トレッキング医学・山岳救助実践」が行われます。
 高所登山やトレッキングに関する医療の実際、山岳救助実践の現場の課題を、実際に起った興味深く新しい症例をワークショップ形式で深く検討する形で行います。
 今回の講習会は広く山岳関係の皆さまに公開しております。お仲間とご一緒にぜひご参加ください。

<会場案内図>
 会場の第一講堂は、第一研究教育棟の3階です。
 ->ここ<- をクリックするとPDF形式ファイルをご覧頂けます。
 東京医科大学病院のホームページの案内地図 http://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/access.html もご参照ください。



プログラム

<第一部>  高所・寒冷などに関する実践的山岳遭難事例検討 (09:00-12:00)
  1. 登山届義務化は山岳遭難防止に役立つのか:登山者アンケートからみえるもの 近藤幸夫(朝日新聞)(09:00-09:40)

  2. 商業的ツアー登山をめぐる法的側面 溝手康史(弁護士)(09:40-10:20)

  3. 御嶽山爆発10ヶ月ぶりの再捜索、2015年7-8月:自衛隊・気象庁・長野県警察・消防とともに 千島康稔(相澤病院)(10:30-11:10)

  4. 日本の高山地帯における山岳自然環境と低体温症事故:凍雨・雨氷現象の関与  飯田肇(立山カルデラ博物館)(11:10-11:50)


<第2部> 現代ヒマラヤ登山トレッキング事情 (12:50-15:00)
  1. ヒマラヤ登山における日本人登山者遭難死亡原因は変化しつつある 中川裕(日本ヒマラヤ協会常務理事)(12:50-13:20)

  2. 山が裂けた:ネパール大地震に直撃されたランタン・リ(7205m)登山隊2015春 和田城志(大阪市立大山岳会・サンナビキ同人) (13:20-13:50)

  3. ネパール大地震直後のカトマンズ郊外、カリチョウ地区での医療支援活動報告 山本太郎(長崎大学熱帯病研究所)(13:50-14:20)

  4. 国際患者搬送システムの現状と問題点 二宮宣文(亀田総合病院救命救急科)(14:20-15:00)


<第3部> 学術的諸問題:地球の歴史 生物と酸素 (15:10-17:30)
  1. 地質時代における酸素レベルの変化と生物進化 山本信治(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)(15:10-16:00)

  2. 低酸素応答システム:Hypoxiaの分子生物学的理解 三浦裕(名古屋市立大学大学院医学研究科分子神経生物学)(16:00-16:50)

  3. チベット人が高所で強い本当の理由:古人類学との対話 増山茂(東京医科大学渡航者医療センター)(16:50-17:30)


 プログラムは3つに分かれています。

#第一部では日本での最近のトピックスを取り上げます。
  • 本年、日本でも登山届の提出の問題が大きく取り上げられました。
     朝日新聞の近藤記者は登山者のアンケート調査や識者のインタビューを行い、紙面でこの問題を大きく取り上げました。
     登山関係の法的問題の専門家である弁護士溝手康史はこの方面での論客でもあります。
  • 日本のトピックスといえば、昨年の御嶽山の爆発はどうなったでしょうか。本年7-8月に行われた再捜索の報告を松本の相澤病院千島にお願いします。
  • 低体温症は世界中どこでも起こりえますが、日本ならではの自然気象条件がこれを修飾します。この点を飯田肇(立山カルデラ博物館)に解説いただきます。

#第二部では、今年もヒマラヤ遭難解析をHAJの中川が解説しますが、今回の焦点は2015年4月25日、ネパールを襲った大地震です。
  • 震源地に最も近かったランタン谷は壊滅的被害を受けました。このランタン氷河の最奥の山、ランタン・リ(7205m)への最終アタックの前日、BCで和田城志(サンナビキ同人)が「突然揺れた。短い縦揺れ、そして少し長い横揺れ、」と感じたのがこの地震でした。奇跡的に生き延びた和田による報告は、世界に二つとない貴重な映像および証言となるでしょう。
  • 地震直後、カトマンズ入りした山岳認定医エントリ者である山本太郎(長崎大)は情報がほとんどない地方に出かけます。死亡率が1%に上るかと危惧されたバグマティ県シンデゥパルチョック郡カリチョウ地区での医療支援活動です。この時期の貴重な報告です。
  • 被災者は移送されねばなりません。国際的な医療搬送につき専門家の二宮(亀田総合病院救命救急科)に背景を説明してもらいます。

#第3部では酸素と生物の関係を取り上げます。
  • 登山の医学は低酸素の医学と重なるところが多い。低酸素ガスを吸って起こるほんの短時間の反応から数千年にわたり高地低酸素環境に居住する方々まで、等しく低酸素に如何に反応するかが問われます。
     今回は、視点をさらに遠くに置き、古原生代におけるGreat Oxygenation Eventの成因それに伴う生物の進化と絶滅を山本(東京大学)が、新生代第4紀にホモサピエンスの中から高地適応に優れたグループが生まれた背景を増山(東京医大)が、そしてその分子生物学的背景の理解を三浦(名古屋市立大)が、振り返ります。


聴講費用

・日本登山医学会会員  6,000円
・日本登山医学会非会員 8,000円
 聴講費用は、以下にお振り込みください。
 (会員の方は、会員番号を振り込み者名に加えてください)
    みずほ銀行 神田駅前支店 普通預金
      店番号 009 口座番号 2296725
      口座名 一般社団法人日本登山医学会 認定山岳医委員会


申し込み

 電子メールにて、dimmtokyo2@jsmmed.org まで以下を利用してお申し込みください。
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  以下を聴講します。
  日時:2015年11月15日(日)
   2015年度山岳医講習会「東京クラスタII 高所登山トレッキング医学・山岳救助実践」
   (以下どちらかを選択する)
    □ 日本登山医学会会員(会員番号:     ) 6,000円を振り込みました。
    □ 日本登山医学会非会員です。 8,000円を振り込みました。
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講習プログラム

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